デュッセルドルフ在住時にドイツのオービスについて知っておくべき事と光らせてしまった時の手続き方法
どうも、2018年からデュッセルドルフに住んでいるHirofumiです。
ドイツの冬は暗くどんよりしており、今はただただ4月以降の夏を楽しみに過ごしております。なんとなくですが、ドイツ人は1月から3月までは有給休暇を使わずに我慢してひたすら働いて、4月以降にどんどんと休暇を取っていく気がします。早く夏時間始まれ!
今回の話題!オービスオービス!
本記事はドイツのオービスについて書きます。
そもそもですが「オービス」という言葉はドイツでは通じません。と言うか改めて調べてみたんですが、「オービス(ORBIS)」って本来はボーイング社の速度違反自動取締装置の登録商標なんですね。水上オートバイの事がジェットスキーと呼ばれているのと同じ感じです。そんなオービス、ドイツでは「Radar」とよく言われている気がします。同僚のドイツ人たちも「Radar」と呼んでいますし、道路標識にも「Rader」と表示しています。あとは「Speed Camera」でも通じます。こちらが一般名称でしょうか?
しかしながら本記事では「オービス」と呼びたいと思います。それでは本記事も是非最後までご覧下さい!
ドイツのオービスの特徴その1「反応速度」
だいたいどのくらいオーバーしてると光るんだ?
もう以下に限ります。
制限速度を少しでも超えていたら光るイメージです。例えば100km/h規制の道路であれば105km/hで確実に、30km/h規制の道路であれば35km/hで確実に光る気がします。※あくまで参考です!
私はドイツに住み始めてからもう3回もオービスを光らせています。
1回目:50km/h指定の道路で59km/h(9km/hオーバー)2回目:50km/h指定の道路で62km/h(12km/hオーバー)
3回目:30km/h指定の道路で38km/h(8km/hオーバー)
ちなみに今まで生きてきて日本ではオービスを光らせた事がありません。1回目の時は「人生初のオービス赤フラッシュはドイツでだったか〜!」だなんて思いましたが、それからあれよあれよと既に3回も光らせてしまいました・・・。
日本では、一般的には「オービスが光ったら免停」と言われているように、「明らかにアウトな超過域(いわゆる赤切符)」でないと光りませんが、ドイツのオービスはとにかくすぐ光るのが特徴です。
ドイツのオービスの特徴その2「設置場所」
なるほどね〜、設置場所の特徴は?
② 高速道路で工事中のため車線規制&速度規制をしているエリアにもよくある
③ 郊外の道路から街に入った直後によくある
④ 子供が絡む公園前や学校前など30km/h規制となっている場所によくある
① 高速道路の速度規制があるエリア
速度無制限でおなじみのアウトバーンにも、所々制限速度が設定されている区間があります。例えば交通量が多く詰まりやすいエリアや、2本の高速道路が1本に集合するジャンクションの辺りなど、急な渋滞が起こって追突事故が発生しやすいエリアは制限速度が設定されている事が多い気がします。こういうところにはオービスがよくあります。
② 高速道路で工事中のため車線規制&速度規制をしているエリア
工事中の区間にもオービスがよくあります。しかも簡易オービスではなくキチンとした常設型のオービスがあります。「そんなもの設置してないで早く工事終わらせろよ!」と言いたくなりますが、光らせてしまっては元も子もないので気をつけないといけません。
③ 郊外の道路から街に入った直後
街と街を繋ぐ郊外の道路(広域農道のようなイメージ)から街に入った直後によくあります。私はこれで2回やられています。郊外の道路は70km/h規制が多いのですが、街に入ると50km/h規制になり、場所によっては急に30km/hになったりします。こういうところにはだいたいあります。
④ 子供が絡む公園前や学校前など30km/h規制となっている場所
特に「子供の飛び出し注意」の道路標識が設置されているところはオービス設置率も高い気がします。これで1回やられました。後ほど書きますが、こういう場所はいわゆる「ネズミ捕り」もよくやっています。
ドイツのオービスの特徴その3「反則金」
だいたいお幾らなんだ?
以下の一覧表をご覧下さい。
市街地の場合
速度超過量 [km/h] | 反則金 [€] | 点数 [点] | 免停期間 [ヶ月] |
〜10 | 15 | ||
11 〜15 | 25 | ||
16〜20 | 35 | ||
21〜25 | 80 | 1 | |
26〜30 | 100 | 1 | |
31〜40 | 160 | 2 | 1 |
41〜50 | 200 | 2 | 1 |
51〜60 | 280 | 2 | 2 |
61〜70 | 480 | 2 | 3 |
71〜 | 680 | 2 | 3 |
郊外・高速道路の場合
速度超過量 [km/h] | 反則金 [€] | 点数 [点] | 免停期間 [ヶ月] |
〜10 | 10 | ||
11 〜15 | 20 | ||
16〜20 | 30 | ||
21〜25 | 70 | 1 | |
26〜30 | 80 | 1 | |
31〜40 | 120 | 1 | |
41〜50 | 160 | 2 | 1 |
51〜60 | 240 | 2 | 1 |
61〜70 | 440 | 2 | 2 |
71〜 | 600 | 2 | 3 |
参考リンク
The German Driving Laws and Fines – Traffic Fines 2020
◆デュッセルネット◆ 運転・車⇒ドイツの罰則規定・点数制度
少し超えたくらいなら反則金高くないし点数も付かないね!
そうなんです。これは同僚のドイツ人もよく言っています。
詳しくはドイツの道路交通法「StVG」に書いてあるのですが、これが非常に読みづらいのです。しかしなんとデュッセルネットに凄く詳しく(しかも日本語で!)纏められているので、そちらが凄く参考になります。
オービスが光ってしまった後の流れ
お、いよいよ具体的な手続きのお話ね!
② 異議申し立てが無ければ受け取りから7日以内に反則金を銀行振り込み(完)
めっちゃシンプル!
以下に詳しく書いていきます。
① お手紙が届く(A4両面印刷が1枚)
・1週間〜2週間ほどで届きます(ばらつきがあります)
・光らせてしまったオービスを管轄している地方自治体から届きます
・故にそれぞれ書式が異なります(書いてある内容は同じです)
・クルマの所有者のもとに届きます(ナンバープレートから所有者を照会)
私の場合は3回全て異なる場所だったので、3回全て書式が異なりました。ですので、お手紙が届くまでに掛かる期間にも差があります。また、私のクルマは会社所有のリース車(いわゆるカンパニーカー)なので、お手紙は会社の総務部(HR)に届きました。HRのカンパニーカー担当の人は慣れているようで、「残念だけどお手紙を受け取っちゃったからお金振り込んでくれる?」と連絡が来て終わりでした。
ちなみにドイツ人の同僚と話していてもたまに「こないだレーダー光らせちゃったよ〜」だなんて話題が出てきて、すぐ光っちゃう故に話の話題の一つ程度の感覚(そんなに重く受け止めてはいない感じ)です。
② 異議申し立てが無ければ受け取りから7日以内に反則金を銀行振り込み(完)
お手紙には大きく以下の三つのことが書かれています。
・日時、場所、ナンバー、顔写真、制限速度と測定速度などの詳細情報
・反則金の額と、振込先の口座情報(手続き番号と共に)
・異議申し立ての書式と手続き方法(web上から出来る場合も有り)
異議申し立てが無く「間違いなく私でございます申し訳ございませんでした」の場合は、指定された口座に反則金を送金して完了です(銀行振り込み)それぞれ手続き番号が与えられるので、その番号を振り込み時の備考欄に入力すればOKです。その後「反則金の納付を確認しました」などの連絡は一切無いので不安になりますが、これで完了です。
例えば「これは間違いなく私のクルマだが、この時の運転者は私ではない」などと異議申し立てがある場合は、異議申し立ての書式に必要事項を記入して指定された住所へ郵送します。手書き&郵送の古典的な方法の地方自治体もあれば、web上からその手続きが出来る地方自治体もあります。
デュッセルドルフの場合はweb上からその手続きができます。お手紙にURLが書いてありますが、こちらのページになります(以下の画像)
なんとありがたいことに英語が選べます!
お手紙に記載されているIDとPWを入力してログインします。そうするといきなり以下の画面が出てきます。ここ、異議申し立てをする時だけ入力すればOKです(私はせっせと全て入力した後に気付きました)
まずここで自身の情報を入力して次へをクリックすると異議申し立て内容の入力画面に移ります。
ここで異議申し立て内容を入力します。「Only in German!」と書かれているので、google翻訳先生の力を借りる必要があります。上の画像の下の方に「Please select」がありますが、ここから「運転者は私ではない」などを選択できます。また画像では切れてしまっていますが、下の方に例えば「運転者は私ではない」の場合は運転者の情報を入力する画面が続きます。このページを入力後に次へで「Attachments/Overview」に進み、何か添付する書類や写真があれば添付して提出すれば良いです(デモなのでここの画像は無いです、スミマセン)
「Pay Now」をクリックすると上の画像のページが出てきます。ドイツ国内からの銀行振り込みの場合は真ん中の「Manual SEPA Transfer」になります。ここから直接振り込みページに飛べるほど優れてはおらず、各自銀行のオンラインバンキングなどで手続きが振り込みが必要です。
【番外編その1】ネズミ捕り
ドイツでもネズミ捕りってやってるの?
やってます。何回か見たことがあります。特に小学校前などの時間帯で30km/h指定になっている道路でよくやっています。しかも結構な数の人が捕まっている印象です。恐らくオービスと同じく、少しでも超えたらアウトなんだと思います。
しかし面白いのは、日本のネズミ捕りの様におまわりさんが物陰に隠れているという事がないので、昼間であれば遠くからよく見えてバレバレです。バレバレと言っても、それによって速度超過を抑制できるので結果OKだと思いますが。
【番外編その2】デュッセルドルフ近くでのオービス珍事件
珍事件?
デュッセルドルフの西に位置するViersen(フィアーゼン)という街で、オービスで撮られた写真のちょうど運転者の顔の部分にハトがかぶっていて、運転者は検挙を逃れたという珍事件が起きたそうです。
この記事を読んでみると警察署のドイツ人が気の利いたことを言っていて面白いです。
But the officials in Viersen, near Germany’s western border, added: “We hope that the protected speeder likewise understands this ‘hint from above’ and drives appropriately in the future.”
‘Holy Spirit’ saves German driver from speeding fine – BBC News
The Viersen police added that the dove should also have been fined for moving so fast in the restricted zone.
‘Holy Spirit’ saves German driver from speeding fine – BBC News
ドイツ人は真顔でジョークを言うのでそれがジョークか分からない時がよくあるのですが、この時は伝わったようで何よりです。
まとめ
はい!まとめて!
これに限ります。残念ながら免停になった場合の手続き方法は経験がないので不明なのですが、恐らく同じくお手紙が来て最寄りの交通局に免許証を預け(納めに)に出頭しなければならないのではと思います。
さてさて本記事はこの辺りで締めます。今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。
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