デュッセルドルフ駐在でEU運転免許証を手に入れる方法【完全編】
どうも、2018年からデュッセルドルフに駐在しているHirofumiです。
もう2019年もすっかり年の瀬で、デュッセルドルフ市内の日本食&アジア食品スーパーは大変賑わっています。
今回はEU運転免許証のお話ね!
これはビザ取得に比べたらとても簡単です。早速始めましょう!
制度の確認
「デュッセルドルフ駐在でドイツ就労ビザを取得する方法【完全版】中編:ドイツ入国〜住民登録まで」にもさわりの部分を微妙に書いてしまったのでそちらも読んで頂けると幸いです。ですが、この記事で改めて書いていきます。
制度について、まずはサクっと結論を教えて!
うっす!
・日本の運転免許証とそのドイツ語翻訳(自動車運転免許証抜粋証明、通称”翻訳免許証”)を所持
・日本の運転免許証と国際免許証を所持
ドイツへ入国し(住民登録し)6ヶ月経過後も運転したい場合
・EU運転免許証のみ有効(書き換える必要あり)
EU運転免許証への書き換えに際する注意事項
・ドイツ入国後(住民登録後)6ヶ月以内であれば試験無しで書き換えが可能
・申請時に日本の運転免許の有効期限が1年以上残っている必要あり
・日本の運転免許証が一旦ドイツ交通局で預かりとなる場合もあり(曖昧)
長いよ!全然サクッとしてないよ!
うーん、ではすごくラフに言います。
随分と端折ったなあ。
制度について、ドイツ総領事館のHPに記載されている内容を見てみましょう。
運転免許証について
1. ドイツ国内で運転する場合
日本の運転免許証とそのドイツ語訳、あるいは日本の運転免許証と国際免許証を両方所持していれば、6ヶ月間は運転ができます。
ドイツに6ヶ月以上滞在し運転をしたい場合は、住民登録を行い滞在許可を取得した後、日本の運転免許証の公式なドイツ語訳を持って居住地の道路交通局(Führerscheinstelle)でドイツの運転免許に書き換えてください。6ヶ月以内であれば試験なしで書き換えが可能です。書き換えを申請する時点で日本の運転免許の有効期限が1年以上残っている必要があります。
書き換えの際、日本の運転免許証は一旦ドイツ当局での預かりとなります。ドイツ国内の日本大使館・総領事館を通じて返却してもらえる場合があります。詳細は現地でお問い合わせください。
運転免許証について – ドイツ外務省
では次に「ドイツ語翻訳」について、在デュッセルドルフ日本国総領事館のHPに記載されている内容を見てみましょう。
証明
自動車運転免許証抜粋証明
日本の運転免許証の記載事項を抜粋してドイツ語で証明する書類です。
ドイツ入国後の6ヶ月間は、同証明書と日本の運転免許証の両方を携帯することでドイツ国内での運転が可能です。また、同証明書は、日本の運転免許証からドイツの運転免許証に切り替える手続きの際にも必要となります。
申請時に必要な書類は以下のものです。
1. パスポート
2. 自動車運転免許抜粋証明申請書(領事館窓口に用紙があります)
3. 日本の運転免許証
※申請手数料:16€(領事館HPに記載あり)
※交付:通常、申請の翌日から数えて4開館日以降にお渡しできます
運転免許証の翻訳証明は、ADAC(ドイツ自動車連盟)でも申請できます。
証明:在デュッセルドルフ日本国総領事館
よく聞く「国際免許証はドイツでは無効」を「そもそも国際免許証はどの国で有効なのか?」という視点で掘り下げてみると、答えは「ジュネーブ条約を締結している国で有効」になるんですよね。ではそのジュネーブ条約締結国一覧にドイツが入っているかなんですが、ドイツは入っていないんですよ。
参考リンク
ジュネーヴ諸条約等(締約国一覧)|外務省
国外運転免許証が有効な国(ジュネーブ条約締約国一覧)警視庁
その代わりとして、ドイツと日本は上に記載した内容(ドイツ総領事館のHPに記載されている内容)を2国間条約として締結しているという理屈の様です。
国際免許証の有効国リストだけを見るとドイツが入っていないので、例えば旅行者の方は「ドイツでレンタカー借りて運転は出来ないか・・・」と諦めてしまう可能性がありますね。でも実は「日本の運転免許証と国際免許証の両方を所持」していれば運転が出来るという事になるんです!
EU運転免許証への書き換え手順
お願いだからサクッと教えて!
うっすうっす!
2. 交通局でのEU運転免許証への書き換え手続きアポの予約を取る
3. 出来上がった翻訳免許証を受け取りに行く
4. 交通局に行き申請&取得する(紙の仮免許証を受領)
5. 後日、自宅にEU運転免許証(カードタイプ)が郵送される(完)
流れは上記となります。翻訳免許証はADAC(ドイツ自動車連盟)でも申請できますが、デュッセルドルフ在住の日本人であれば日本領事館で申請&取得をするのが楽かと思います。
それでは以下で詳しく書いていきます!
1. 領事館で「自動車運転免許証抜粋証明(通称”翻訳免許証”)」を申請
「デュッセルドルフ駐在でドイツ就労ビザを取得する方法【完全版】中編:ドイツ入国〜住民登録まで」にも書いたのですが、渡独後に在留届を提出するためにまず領事館を訪れる際に同時に申請してしまえば良いかと思います。
・パスポート
・日本の運転免許証
・申請費用16€(確か現金のみ対応だった気がします!)
デュッセルドルフの日本領事館は市内の中心に位置しています。
建物の入り口に着いたら日本領事館のインターホンを押し「翻訳免許証の申請に来ました」などと日本語で用件を伝えれば入り口のロックを解除してくれます。日本領事館は日本式2階か3階だった気がします。
領事館のオフィスがある部屋に入ると、いきなりガタイの良いドイツ人警備員が仁王立ちしています。そこで空港の様な荷物チェックを行うと領事館に入る事ができます。
“翻訳免許証”の申請用紙は領事館の窓口に用意されていますが、領事館のHPからも入手出来るので、事前に記入して持参する事も可能です。
申請時に受け取り可能日を教えてくれるので、完成したところで取りに行けばOKです。通常4開館日必要で、私も月曜日に申請して金曜日に受け取りました。受け取り時は身分証(パスポート)があればOKです。
2. 交通局でのEU運転免許証への書き換え手続きアポの予約
デュッセルドルフ交通局のHPからオンラインで予約ができます。交通局の運転免許関連のページにアクセスして下さい。
「Terminvereinbarung」をクリックすると次のページに進みます。ページ中段にある「Online-Terminvereinbarung」がオンライン予約の部分になります。
ここから「Terminvereinbarung aufrufen」をクリックすると、いよいよ予約ページに飛びます。
まずここに手続き一覧が出てくるので、ここで今回の「EU運転免許証への書き換え」を選択します。下の方までスクロールして下さい。
下の方の右の列に「sonstige Führerscheinangelegenheiten (im 2.0G)」というタイトルの部分があります。訳すと「他、運転免許関連(ドイツ式2階)」になるんですが、この中の3番目「Umschreibung ausländische Fahrerlaubnis(外国の運転免許証について?)」をクリックして右側に追加されたら「Termin vereinbaren(次へ)」で次のページに進んで下さい。
ちなみに「Umschreibung ausländische Fahrerlaubnis」の横の部分の”i”をクリックすると、この手続きの詳細が記載されているページに移れます(こちらです)必要書類についてもここに記述があるのですが、「4.」に詳しく書こうと思います。
緑色に塗り潰してある日が未だ空きがある日です。この中から希望日をクリックすると、その日の空き枠(時間帯)が表示されます。
希望の枠をクリックすると詳細入力画面へ移動します。
ここで上記の必要事項を入力&チェックを入れて「Termin」をクリックすると予約完了です。予約完了を示すページ(予約ページ4/4)に移動し、入力したメールアドレスに予約番号など予約情報が書かれたメールが配信されます。
これで予約完了です!
3. 出来上がった翻訳免許証の受け取り
これは割愛します!ちなみに申請書の「委任状」の部分を記入して申請すれば、例えば奥さんなどご家族の方が受け取ることも可能です。身分証(パスポート)をお忘れなく!
4. 交通局に行き申請&取得する(紙の仮免許証を受領)
さてあとは必要書類を整えて、アポが取れた日時に交通局へ向かえばOKです。
書類は何が必要なの?
・日本の運転免許証
・自動車運転免許証抜粋証明(通称”翻訳免許証”)
・写真1枚(ビザ申請時と同じ35mm×45mmサイズ)
・申請費用(55€前後、ECカードが使えます!)
今回のEU運転免許証への書き換えについては、こちらのページに詳しく記載されています。下の方の「Benötigte Unterlagen」が必要書類に関する記述です(以下)青枠内の項目が、正に上記の空色枠の項目になります。
ドイツ語なので読むのにgoogle翻訳の力が必要ですが、「EU及びEEA(EEA)加盟国または運転免許条例の付録11に記載されている国は、以下の必要書類でOK(青四角部分)」と書かれています。「運転免許条例の付録11」を見てみると、日本は「全ての免許クラスで、実技試験も学科試験も不要で移行可能」と記載されています。つまり上の画像の青四角部分の下に書かれている「視力検査証明書」や「応急処置トレーニングの完了証」や「医療適性検査証」は不要となります。
無いとは思いますが、万が一担当官が「日本の運転免許は試験なしでEU運転免許証に書き換え出来ない!」や「視力検査証明書や応急処置トレーニングの完了証が必要!」などと言い出した際にこのページをすぐ見せられるよう、ケータイのブラウザで開きっぱなしにして準備しておくのも良いかもしれません。ドイツでよくある「担当官によって言う事が違う」で自分が損をしないために・・・。
OK、準備万端!さてさて、交通局はどこにあるの?
交通局はデュッセルドルフ市内から見て東方向に位置しています。通称”8号線”と呼ばれる幹線道路の近くです。このエリアはディーラー街になっていて、日本で陸運局の近くにディーラーや修理屋さんが集中するのに似ています。
すぐ隣に立体駐車場があるのでクルマで行っても問題なしです。トラムでしたらU75ですぐ近くまで行けます。
建物に入ったらドイツ式2階を目指します。この時に入り口正面のInformationに長蛇の列が出来ている事があるそうです。時間帯によっては外まで続く長い長い列が(私は見た事が無いです)しかしアポを取っているのでこの列は無視して、Information右側のエレベータでドイツ式2階へ向かえばOKです。
そこから矢印に沿って歩いていくと予約番号とブースNo.が表示されるモニタが置いてある待合室があります。そこでしばし待ち、自分の予約番号が表示されたら同じく表示されたブースNo.に向かいましょう。
いよいよ申請の時!何だか緊張するねえ!
必要書類を全て机の上に出したら、伝える事は以下の3点です。
・日本の運転免許証は返却して欲しい(持っておきたい)
・完成したEU運転免許証は自宅に郵送して欲しい
手続きに際して、ドイツでの違反歴や体調(病気の有無、健康状態)についてなど、簡単な質問を幾つかされる程度です。
この記事の冒頭で書いた通り、ドイツ総領事館のHPには「日本の運転免許証は一旦ドイツ当局で預かりとなるが、ドイツ国内の日本大使館・総領事館を通じて返却してもらえる場合もあり」と記載があります。
デュッセルドルフの交通局では、日本の運転免許証は返却して欲しい(持っておきたい)旨を伝えれば回収されません。回収されない代わり裏面に「この日本の運転免許証はドイツ国内では無効」を示すシールを貼ってくれます(以下参照)それだけでなく、キッチリその手続きの代金も取られます(以下参照)
青四角で囲ったように「ドイツ国内では無効」を示すシールと印が押されます。
上の写真の様に日本の運転免許証の返却手数料をキッチリ取られます。また自宅への配送手数料もキッチリ取られます。総額55.10€!なかなかいいお値段ですよね、日本に比べると高めなイメージです。
手続きが完了するとA6サイズの仮の運転免許証を貰えます。この紙がカードタイプのEU運転免許証が届くまでの免許証になるので、運転時はこれを携帯しましょう。私はカードタイプの免許証が届くまで、念のため「日本の運転免許証」「翻訳免許証」「仮の運転免許証」を携帯して運転していました。
5. 自宅にEU運転免許証(カードタイプ)が郵送される(完)
手続きから2〜3週間で自宅に郵送されます。受け取りに際しサインなどは必要ありません。驚くほど自然にポストに入っています。というかむしろポストから封筒が少しはみ出ていました。誰かに持って行かれたらどうすんだよ!と思いましたが、無事に手に入りミッション完了です!
まとめ
EU運転免許証も手に入ってやれやれだねえ!
ちなみに発行されたEU運転免許証の有効期限は発効日から15年後でした。めちゃくちゃ先!しかしこの15年というのも2013年1月にEU基準への準拠という形で制度が改正されて出来たもので、それまではなんと更新というシステム自体が無く無期限で使えるものだったようです。驚きですよね、日本だと5年に1回更新が必要なのに。
今回の記事も最後まで読んで頂きありがとうございます!2019年はこの記事で締めたいと思います。皆さま、良いお年を!
2020年一発目の記事は何を書こうかな〜。
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